10月のケンポによる1ヶ月仏教コース

ケンポのセミナーについての報告

ケンポのセミナーは終わり、ケンポは無事にベルギーにお帰りになりました。
参加された皆様に、本当の意味で、六波羅蜜の修行をされ、一ヶ月にわたって、精進されました。
主催者の私たちは、その皆様の努力に心から感謝しています。
ケンポが説いてくださったシネの段階、五道と菩薩の十地、それから、9乗、そして、ゾクチェンの教えを授かるための準備などを私たちの修行の道のための地図と、道具とし、先に進みましょう。
本当に皆様。お疲れ様でございました。
 
※ケンポから、仏教コースを本にする許可をいただきました。コースの参加者の中から、テープおこしを手伝ってくれる方を募集しています。よくまとまっているコースなので、今後チベット仏教に興味を持った方々のために、きわめて役に立つでしょう。
できる方はセンター までご連絡ください。
※また、うれしいニュース。12月1日(土)デチェン・パヲともう一人の方はケンポのセミナーに参加され、がんばった皆様のために、お疲れ様会として、塩山の温泉につれてくるとおしゃっています。ぜひとも、一年のお疲れを温泉に流して、一緒に仏法について語り合いましょう。希望者は、おなじく、センターまで ご連絡ください。

 

Course of buddhism by Khenpo Tubten Lodrö Nyima in Tokyo


1、初回セミナー

内容:入菩薩行論 第9章『智慧波羅蜜』解説
日程: 10/6( 土 ) ~ 10/8( 月・祝 )
時間: 10/6 のみ 11 時~ 18 時 10/7 ~ 8 は、 10 時半~ 17 時半


2、仏教基礎講座

(2-1)仏教の基礎用語・基本概念の解説

日程: 10/13 ~ 11/4 の毎土日 、<計 8 日> 
時間:土 11 時~ 18 時 日 10 時半~ 17 時半

※例示 五蘊 4大要素 感情の源 縁起 器官 四諦 二諦 八識 
六波羅蜜、二資糧、二障 - 習気、二身、5智、5身 四法印 三つの清浄なる方便(タンバスム) 心を変える四つの思考、空性と如来蔵 等々。

(2-2)前行解説と前行 & シネ ( 止の瞑想 ) 同修会
日程 10/12 ~ 11/2 迄の毎金曜 <計 4 セッション>
時間 19:00 ~ 21:30

(2-3)手印指導や儀軌(トルマ・曼荼羅・供養法)指導 日程 10/11 ~ 11/1 迄毎木曜 <計 4 セッション>
時間 19:00 ~ 21:30


3、供養会 

グル・リンポチェの供養会 (リンジン・ドゥパ・ツォッ)

日程:10月21日 18:00-21:00 日曜日

ダーキニーの供養会(ユムカ・デチェン・ギャルモのツォッ)

日程:11月4日 18:00-21:00 日曜日<最終日>

※ 参加するのに、事前申し込みは不要ですが、場所をご存知でなければ、
tokyo@dzogchencentre.orgにお問い合わせください。自由お布施。

※ 参加される方は、調理不要、食べやすい、人に分けやすい食べ物一品と、飲み物一品ご持参ください。

※ リンジン・ドゥパとユムカの灌頂を受けたことがなくても、参加は可能です。ただし、テキストを読むことができません。ご了承ください。

 


4、コースの言語

ケンポはチベット語で話し、日本語通訳は三浦順子さんがしてくださいます。
※また、二重通訳システムにより、ボランティアの方による日本語→中国語の通訳が可能ですが、中国語の希望の方は事前に参加日をお知らせください。

5、場所

都内某所
JR 上野駅 入谷口下車 徒歩 2 分
山手線・京浜東北線・常磐線 / 東京メトロ 銀座線・日比谷線

※本来セミナー会場でない場所を、ご厚意で、お借りしますので、セミナー参加希望者にのみ、場所の案内をメール等でお知らせします。


6、セミナーの詳細

 

(1)初回セミナー

内容:入菩薩行論 第9章『智慧波羅蜜』解説

ケンポの紹介の意味合いもある初回セミナー内容は、パトゥル・リンポチェご自身が決められました。

入菩薩行論の第 9章はシャンティデーヴァが説法をしながら、空中をどんどん上昇し、最後の部分を説くころには、身体が消え、声だけが上から聞こえてきたとされる章です。

第9章の冒頭の詩において、(第1章から第8章までに説かれた)菩提心をおこし、布施波羅蜜から禅定波羅蜜までの菩薩行の支分すべては、「智慧」を発するためだと釈尊はおっしゃっている、とシャンティデーヴァは説いています。

本 文を見ていただければわかりますが、シャンティデーヴァは、他の章においては、実践的に説くことに主眼を置き、理論的に複雑に説く事はしておりません。し かし、この章のテーマである「智慧」や真理は、思想的に難解です。そこでシャンティデーヴァは、インドの仏教以外の宗教の思想・宗義と、仏教の主な諸派 (説一切有部、唯識派、中観自立論証派)の思想と、見解の王様とされる中観帰謬論証派の見解を比較することで、「智慧」や真理を浮かび上がらせておりま す。

確かにこの第9章は、 12年間シュリー・スィンハ仏教大学で学ばれ たケンポの真骨頂がいかにも発揮されそうな内容です。 シュリー・スィンハ仏教大学流の解説を聴講できると思います。

(2)仏教基礎講座

仏教の基礎知識及び儀礼の基本・瞑想の基本をロンチェン・ニンティクの伝統に基づき、体系だって学べます。

(2-1) 仏教の基礎用語・基本概念の解説

例示 五蘊、4大要素、感情の源、縁起、器官、四諦、二諦、八識、六波羅蜜、二資糧、二障 - 習気、二身、5智、5身、四法印、三つの清浄なる方便(タンバスム)、心を変える四つの思考、空性と如来蔵等 々 。

パトゥル・リンポチェの日本でのセミナーも、すでに8回を数えています。

今 後、どんどん高度な教えを説いてくださろうとしています。 しかし教えの中には、多くの仏教用語・基礎概念が出てきます。元々言語で表わせない境地を「言葉」という方便を使って説くわけですから、仏教の用語・概念 は、日常の意味とは異なることがよくあります。 また日常に存在しない概念を表現する場合もあります。

こうした仏教の基礎用語・基本概念をこの機会に体系だって学び、正しく理解することは、今後高度な教えを授かる重要な下地になると思います。

またパトゥル・リンポチェ以外のラマから教えを授かる際にも、きっと役に立つと思います。 なお、リクエストもお聞きしますので、もしあれば早めに申し出てください。

(2-2) 前行解説と前行 &シネ(止の瞑想)同修会

こ れまでパトゥル・リンポチェは、日本で前行とシネの瞑想等を伝授してくださっています。しかしいざ前行とか瞑想とか始めようと思っても、やり方がよくわか らない方もいらしたと思います。また自らに前行や瞑想を行ずる習慣を身に付けさせたいと考えている方もおられると思います。ケンポが前行を詳しく解説して くださり、また一緒に前行や瞑想をしてくださいます。

前行や、瞑想に取り組み人が増えることは、リンポチェの教えが深まっていくカギになります。

(2-3) 手印指導や儀軌(トルマ・曼荼羅・供養法)指導

供養会(ツォ)を行う際、本当は手印も結ぶ方が正しいです。

また、曼荼羅や、祭壇作りや、供養法などの儀軌を知りたい方も多くいると思います。そういう方のためのセッションです。

 


7、ケンポ・トゥプテン・ロドゥ・ニイマについて

 

 

現在、ベルギーでパトゥル・リンポチェの補佐を務めています。 北東チベットにあるアムド地区に遊牧民の家族で生まれ、2007 年現在40歳です。
幼少時代、父から読み書きを学びました。成長する彼は輪廻に対する悲しさを覚え、強い出離の心を持つ。そしてやがて、仏法について関心が高まってきました。
15 歳の時に、サムエー寺まで行き、僧侶の戒律を授かった後、一旦家族の基へ戻られました。16歳時に、強い発心をし、ダルマを求めてゾクチェン寺のシュ リー・スィンハ仏教大学(正式名称:ゾクチェン・シュリー・スィンハ五明仏学院)に入って、15年間に渡り、顕密の教えの他、10種類の伝統科目を学びま した。当時、彼の教師はケンチェン・ぺマ・ツェワン、ケンチェン・ダウェ・オゼル、そして、ケンチェン・ツェリン・ニイマの方々です。また、ドゥクパ・リ ンポチェ、そして、キェブジェ・ペマ・カルザン・リンポチェから、彼は灌頂とその指導が授かり、アチュン・トグテン・リンポチェからは心の本性が直接導か れました。
※結局、この当時、長老世代の多くの優れた成就者がご存命で、シュリー・スィンハ大学、ゾクチェン寺で、パトゥル・リンポチェや、そのほかの若い世代のリンポチェらを直接指導されました。
ケンポ・チュガによれば「彼が誰よりも一生懸命勉強していたことを私は知っている」と評しています。
卒 業と同時に、彼はケンポ(仏教博士)の資格を習得し、故郷アムドの小さな寺に入りました。そこは僧が彼以外おらず、 在家修行者 と在家信者に教えを説いていました。 学ぶ人がだんだん多くなり 25 人くらいになりました。しかしアムドでは、まだゾクチェンほど信仰の自由がなく、中国政府から信者を 15 人まで減らすように強要されました。法律では、ケンポが主催する寺は何人までという制限があるからです。 しかしケンポは誰に対しても出ていくように言うことができず、しかたなく自分が去ることに決め、その後亡命されました。

日本のメン バーは、3年前のヨーロッパのシェダに参加して、初めて、ケンポの講義を受けました。パトゥル・リンポチェが教えの本質を自分の体験から語るのに対して、 ケンポはまるで「仏教の知識の泉」であるかのように、詳細に、まさにシュリー・スィンハ仏教大学でのオーソドックスな説き方で講義をされます。それがシェ ダでは、とてもよい組み合わせとなっています。

8、パトゥル・リンポチェの次回セミナーについて

次回の来日は来年の早い時期になる予定です。