パトゥル・リンポチェの師

パトゥル・リンポチェの4人の根本ラマ

根本ラマとは、弟子の心の本質を指し示してくれたラマのことです。パトゥル・リンポチェに伺ったところ、自分の根本ラマは次の4人だと教えてくれました。

ケンチェン・デチェン・ナムドゥル

パトゥル・リンポチェが「自分の最初のラマだ」と言っておりました。ゾクチェン寺、ゾクチェン谷ではとても尊敬されていたケンチェン(ケンポの中でも特に優れていると認められた方に贈られる称号)です。

パトゥル・リンポチェはこの先生からたくさんの教えを学びましたが、特に貴重なのは「クンサン・ラマの教え」の非常に短い系譜です。初代パトゥル・リンポチェの弟子であるケンポ・ラージャルは、人生の大半を洞窟でのリトリートに過ごした。そのケンポが人生の終わりに「クンサンラマの伝授がほしい方は集まるように」とおっしゃり、たった一度だけ「クンサン・ラマの教え」の完全なる伝授を行った。その中にケンチェン・デチェン・ナムドゥルもいらしゃいました。

ケンチェン・ペマ・ツェワン・ルンドゥブ・リンポチェ(ペンツェ・リンポチェ)

シュリー・スィンハ大学28代大学長。同大学でパトゥル・リンポチェを導かれたリンポチェです。生きる仏陀とさえ称されたほどの方です。1998年にヨーロッパ各国・日本を含むアジアなどを歴訪し、教えを説いたのが、最初で最後のツアーとなりました。このツアーにより、世界のチベット仏教界にも知られるようになりました。

※余談ですが、当センターの世話人はそれまで何度かチベット仏教のセミナーに通っていましたが、このペンツェ・リンポチェのセミナーで初めてチベット仏教に心から惹かれ、修行をしようと決心しました。

ドゥクパ・トゥルク・トゥブテン・ニーマ・リンポチェ(ドゥクパ・リンポチェ)

ドゥクパ・クンレイの転生者。パトゥル・リンポチェの主な根本ラマです。ゾクチェン寺では第一線を引退されていますが、ゾクチェン地方では絶大な尊敬を集めております。現在、カム地方に生存するリンポチェの中で、もっとも高い境地に達している1人と言っても間違いありません。パトゥル・リンポチェの言葉によると、彼の人生は奇跡なエピソードでいっぱい。いつか必ずそれについてみんなに伝えてくださるという約束をしてくれています。

ドゥクパ・リンポチェの映像初公開!!!2004年のグル・リンポチェの大祭の時にゾクチェン寺の中での撮影。再生のためにWindows Media Player 9.0以上ご利用ください)

キャブジェ・ペナク・オントゥル・リンポチェ(ペナク・リンポチェ

正式には、「カンサル・ダンベイオンシュ・リンポチェ」。パトゥル・リンポチェが「今もっとも自分が学びたいのがペナク・リンポチェだ」と評するリンポチェ。2004年の夏パトゥル・リンポチェは初めて出会い、強い感銘を受け、現在、彼から伝授された修行を行じておられます。アムド地方のゴロクにご自身のお寺を持っておられますパトゥル・リンポチェが「ペナク・リンポチェを日本に招くことは大きな利益なる」とぜひ日本の皆さんに紹介したいと強くおっしゃられました。

そして2006年の1月に訪日が実現し、アチュン・トクデン・リンポチェの主著である「ゾクチェン・ナムカ・ティンダル」のゾクチェンの真髄の教えを日本で解き明かしてくださいました。

またこの訪日の最中にパトゥル・リンポチェに秘密の教えを伝授され、2人の間は極めて親密になり、現在では、パトゥル・リンポチェはペナク・リンポチェのことを根本ラマとしか呼ばなくなられました。

来日時直前に、ペナク・リンポチェの全集が発刊されました。この全集によって、ペナク・リンポチェは、「偉大なゾクチェンのマスター」として、その名声が、全チベット本土、中国大陸に響き渡っています。

※当センター世話人は、僥倖により、ケンチェン・デチェン・ナムドゥル以外のパトゥル・リンポチェの3人の師とお会いすることができました。故ペンチェ・リンポチェ、ドゥクパ・トゥルク・トゥブテン・ニーマ・リンポチェ、ペナク・リンポチェの3人は、互いに比較することができないほど高い境地を達成しておられます。近づくだけで涙が出てくるような深い感動を覚えました。