日本でのサンド・パァリ仏教大学
Plan about Institute of Zandok palri in Japan
はじめに
パトゥル・リンポチェは、心の開放を真剣に目指す方のために、じっくりと腰を据えた修行の階梯を指導したいと祈願されております。そのリンポチェの願いの顕われが6年コースとなるシェダ(仏教カレッジ)です。
内容は、修行の基礎から始まり、ゾクチェンの奥儀である、テクチューとトゥゲルの伝授をも含みます。
2005年、ベルギーの本部が中心となって、ヨーロッパでシェダを開始し、約100人が参加しています。
1~2年目は、顕教、2007年の夏の3年目のコースでは、顕教の最高の見解と密教のガイダンスが行われました。
このシェダの2番目の開催国として、パトゥル・リンポチェご自身から、日本で行いたいとおっしゃってくださいました。
是非ともその企画を実現したく、どうしたら、それを出来るのか今考えている最中です。
当センターとしても、せっかくのパトゥル・リンポチェの申し出を、皆さんのためにも、自分自身の修行のためにも活かしたいと願っております。
しかし、シェダの実現のためには、多くの課題をクリアしなければなりません。
まず、そこまで深くゾクチェンを学びたい方が30人以上は集まらないといけません。安価で借りられる場所も確保しなければなりません。
シェダ実現に向けて、ご意見・アイデアがあれば、大歓迎です、是非ともご意見、ごアイデアをメールで送ってください。
目 的
① 地上の解放、偉大なる原初の清浄性、不変の真理の中において本来備わっている
自己の性質を未だ発揮することが出来ずにいる人々を迅速に悟りに導くための道を開くことです。
自己の性質を未だ発揮することが出来ずにいる人々を迅速に悟りに導くための道を開くことです。
② 次の世代のために、苦しみから解放できる道を純粋な形で残すことです。
学習スタイル
いままで効果的でしたチベットのやり方を使って、学べるのはベストですが、それですと、現代人の人々がお忙し過ぎます。
そこは、忙しい日本人でも学べるスタイルを探っている最中です。今の考えでは、ゴールデンウィークの時期に集中して行います。
課 程
一年目 悟りを求めて熟考する道
二年目 偉大なる存在が悟りへと至る進路を確実なものにする道
三年目 悟りへの偉大なる教えを授かる道
四年目 悟りの中に安堵する道
五年目 悟りへの偉大な技を完成させる道
六年目 悟りの完成
一年目 悟りを求めて熟考する道
目標:「巣を作る際に安全で不安のない場所を求めるティシャ鳥のように」悟りを願い、そこへ向かう道を求めて熟考する人たちのためのアドバイス |
灌頂
カルリン・シト
金剛薩タ
口頭伝授
『クンサンラマの教え』より、共通の外なる前行
前行の朗唱(ロング・バージョン、ショート・バージョン共)
カルリン・シト
金剛薩タ
37の菩薩行
実践
金剛薩タ百字真言:18,000回
金剛薩タ六字真言:103,000回
毎月10日、25日には必ず実践する
瞑想:
平穏を持続させる瞑想)(シネー、シャマタ)と喜びを与え、苦しみを引き受ける瞑想(トンレン)と共に、
生起次第
二年目 偉大なる存在が悟りへと至る進路を確実なものにする道
目標:「象が動きだすように」悟りへの強力な一歩を踏み出す。 |
灌頂
リンジン・ドゥパ(持明者の集まり)
トゥジェ・チェンポ・ドゥグナル・ランドル
サンドラップ・ティグレ・ギャチェン
ユムカ・デチェン・ギャルモ(イシェソギャルの灌頂)
タムドリン・ナクポ・チャック・ラルチェン
口頭伝授
2巻からなる完全なニンティクの教え
『クンサンラマの教え』より類まれな内なる前行
実践
金剛薩タ百字真言:18,000回
金剛薩タ六字真言:103,000回
毎月10日、25日には必ず実践する
菩薩懺悔(二ケ月に一度懺悔、及び誓いの復元を行う)
瞑想:喜びを与え、苦しみを引き受ける瞑想(トンレン)と合わせて空性、慈悲の瞑想の実践
三年目 悟りへの偉大なる教えを授かる
目標:「ガルーダの卵のように」外側には未だ悟りへの道のサインが明示されていないが、内側では既に心からでる力が完全である状態 |
灌頂
4つの特徴に関する特別な灌頂に加えてパルチェン・ドゥパの灌頂
チョドゥル・ズィンパ・ランドル
口頭伝授
チョドゥル・ズィンパ・ランドル
ザ・パトゥル・リンポチェの執筆作品集
実践:
金剛薩タ百字真言:18,000回
金剛薩タ六字真言:103,000回
毎月10日、25日には必ず実践する
菩薩懺悔(二ケ月に一度懺悔、及び誓いの復元を行う)
瞑想:
いかなるものが生じようとも純粋な認知を維持する瞑想と共に、空性と慈悲の瞑想を実践
四年目 悟りの中に安堵する
目標:「ガルーダの雛鳥が空に円を描くように」本来備わっている意識、悟りの強さ
灌頂:
寂静尊、及び憤怒尊の灌頂
口頭伝授
ギュギャル・サンワイ・ニンポ(グーヤガルバタントラ)
中道の装飾(Madhyamakalankara)
ガラプ・ドルジェの三要訣の言葉
6つのバルドの解説
実践:
金剛薩タ百字真言:18,000回
金剛薩タ六字真言:103,000回
毎月10日、25日には必ず実践する
菩薩懺悔(二ケ月に一度懺悔、及び誓いの復元を行う)
瞑想:
仏性の現れと有り様を、それらが清浄、また同一である という境地で見ながら生起次第、および究竟次第へと至る
五年目 悟りへの偉大な技を完成させる道
目標:「若き獅子のように完成された技」悟りへの修行の頂点として賢者が出現する
灌頂:
ゾクパ・チェンポ・ニンティク・ヤブジ
クンチョー・シンドゥ
口頭伝授:
ゾクパ・チェンポ・ニンティク・ヤブジ
イエシェ・ラマ、またその背景の教え
実践:
金剛薩タ百字真言:18,000回
金剛薩タ六字真言:103,000回
毎月10日、25日には必ず実践する
菩薩懺悔(二ケ月に一度懺悔、及び誓いの復元を行う)
瞑想:仏性の現れ方と有り様を、それらが清浄で平等であるという境地で見ながら、管(ツァ)、風(ルン)、心滴(ティクレ)の空性について瞑想する
六年目 悟りの完成 完璧に授けられている「全てに行き渡る法」(ドルジェ・チャン)の原初の段階に安堵するため
目標:「如意宝珠のように」その結果は明らかであり、自身と他者の双方にとって有益な成果をもたらす
灌頂:
本来備わっている認識に関する灌頂に付随する力に加えて、
究極の灌頂における三つの特徴
口頭伝授
ゾクパ・チェンポ・リポセ三部作
ロンチェンパによる7つの宝
ズィンパ・ランドルによる三つの解説文
実践:
金剛薩タ百字真言:18,000回
金剛薩タ六字真言:103,000回
毎月10日、25日には必ず実践する
菩薩懺悔(二ケ月に一度懺悔、及び誓いの復元を行う)瞑想:仏性の現れ方と有り様を、それらが清浄で同一であるという境地のうちに、ありのままの本来備わっている認識への入門。
原初の清浄さと存在の自発性、飛躍(トゥゲル)及び執着を断ち切る(テクチョー)道を通じて、それぞれが原初の段階に安堵する。
付記;
テクチューとトゲゥルについて センター世話人にとっては、テクチューとトゲゥルについては、特別な思い入れがあります。下記のソギャル・リンポチェとナムカイ・ノルブ・リンポチェの著作でテクチューとトゲゥルというゾクチェンの修行法を知ったことこそが、実はニンマ派で学んでみたいという憧憬が生まれた原因です。正直、チベット語を学び、ネパールなどに行かなければ学ぶ機会がないのかとも思っていました。それが、日本において、しかもパトゥル・リンポチェから学ぶチャンスが生まれたことをとても喜んでいます。○『チベットの生と死の書』ソギャル・リンポチェ著 講談社 一九九五年 二八六頁ー二八七頁ゾクチェンの修行の真髄は〈テクチュー〉と〈トゥゲル〉というふたつの行から成り立っている。このふたつは中有のなかで起こることを深く理解するうえで欠くことのできないものである。だが、ここではその概略をごく簡単に紹介することしかできない。完全な説明は、弟子が全身全霊をこめて教えに打ち込み、ある程度の段階に達したときに初めて、師から弟子への伝授によってのみなされうるものなのだ。わたしが本章において説明してきたことは、テクチューの行の核心部に相当するものである。 テクチューとは、烈しい一撃によって迷いを一刀両断することを意味する。ナイフがパターを切り裂くように、空手使いが積み上げたレンガを打ち砕くように、明知の〈見解〉の断固たる力が迷いを断ち切るのである。まるで要石を吹き飛ばされたかのように、迷妄の幻の伽藍が崩れ落ち、迷いが断ち切られ、心の本質の原初の純粋さが、自然な単純さが姿を現すのである。 師は、テクチューの行によってあなたのなかに十分な下地ができたと判断したとき、あなたをさらに高度な行、トゥゲルに導く。トゥゲルの行者は、あらゆる現象のうちに本来そなわっている、すなわち遍在している、〈光明〉に直接働きかける。トゥゲル独自の途方もなく強力な行法をもちいて、自己の内側に〈光明〉を発現させるのである。トゥゲルの特徴として即時性をあげることができる。豁然(かつぜん)と悟るのである。はるかな頂上をめざして山々を経巡るのではなく、一足飛びに頂上へとジャンプするのだ。トゥゲルの威力はすさまじく、人は一生のうちに悟りのさまざまに異なる次元をことごとく実現することすらできる。○『虹と水晶』ナムカイ・ノルブ著永沢哲訳 法蔵館P113-114いったん、三昧に入ったら、その境地にとどまり続ける必要がある。そして、どんな行動や状態においても、この三昧の境地のままでいることを、テクチュー(Khregs chod)と呼ぶのである。テクチューは文字通り「ゆるやかに切り放つ」ことを意味している。きつくしばり上げられた棒の束を切り落とせば、たばねられていた棒はゆるやかに崩れ落ち、もっとリラックスしたパターンを作りながら、広がっていく。それと同じように完全にリラックスするのである。テクチューをつづけると、その後には、トゥゲル(thod-rgal)の修行がある。トゥゲルは「究極を超越する」という意味で、「ここにいると同時に、あそこにいる」という意味を持っている。この修行は本当に秘密だから、ここでは、最も抽象的な表現にとどめておくのが適当だろう。これから述べることは、修行のための指示ではないのである。トゥゲルはゾクチェンの教えだけに見いだされるもので、この修行をつうじて、自分の存在のあり方を、すみやかに究極目標まで到達させることができる。四つの光の深化にしたがって、トゥゲルの四つの顕現が生じてくる。そして、顕現と空性の統一に取り組んでいくことによって、虹の身体の悟りを成就するまで前進するのである。虹の身体は、存在の完全な消滅であり、肉体そのものが、諸元素のエッセンスである光に溶け入ってしまう。この虹の身体については、結果である悟りについて述べる次章で論じることにしよう。ただ、トゥゲルの修行が有効であるためには、まずテクチューの修行が完成されている必要がある。修行者はつねに三味の境地にとどまったままでいられる必要がある。